今季最強?寒波到来。当地域では珍しい積雪も

今年の冬は、これまでの暖かい冬から一変し寒さが続いています。特に、今季最強と言われる寒波の影響で、当地域では珍しい積雪も観測されました。寒冷地では当たり前の光景かもしれませんが、比較的温暖な気候のこの地域にとっては比較的珍しい出来事です。

昨年までの冬、無加温のビニールハウスでは寒さによる深刻なダメージが発生し、植物の生育に大きな影響を与えていました。しかし、今季はビニールハウスに内張を施すことで断熱性を向上させ、冬越し対策を強化しました。この改良によって、どの程度の温度差が生じるのかを検証してみました。

最強寒波到来、最低気温は-4℃

この冬の寒波は特に強烈で、当地の最低気温は-4℃まで下がりました。過去数年を振り返っても、これほどの低温を記録することは珍しく、寒波の勢力の強さを実感します。

また、積雪も確認され、ビニールハウスの上に雪が積もる状況に。幸い、積雪量はそれほど多くなかったため、ハウスの倒壊などの心配はありませんでしたが、気温の低下による作物への影響が懸念されます。

ビニールハウスの内張りによる温度差を検証

【比較条件】

  • 無加温ビニールハウス(従来のもの)
  • 内張を施した無加温ビニールハウス(新たに改良したもの)
  • 計測日は寒波の影響が最も強かった日
  • 最低気温は外気温-4℃

【測定結果】

  • 無加温ビニールハウス内の最低気温:-2.2℃
  • 内張を施したビニールハウス内の最低気温:2.8℃

結果として、内張を施したハウスの方が約5℃高い温度を維持できることがわかりました。

温度計測には以下の機器を利用しています。

内張による断熱効果の分析

1. 空気層の断熱効果

内張を施すことで、ビニールと内張の間に空気の層が生まれました。この空気層が外気の冷気を直接ハウス内に伝えにくくするため、温度低下が緩和されました。

2. 放射冷却の抑制

冬場の冷え込みは、夜間の放射冷却による影響が大きいですが、内張によってハウス内の熱が逃げにくくなり、結果的に気温の低下を抑えることができました。

3. 風による冷却の軽減

ビニールハウスの外側が冷たい風にさらされても、内張があることで内部の温度が直接影響を受けにくくなります。これにより、ハウス内の温度変化が緩やかになったと考えられます。

今後の課題とさらなる改良策

1. 二重ビニールや発泡シートの活用

現在の内張は1層ですが、さらにもう1層加えることで、断熱効果を向上させることができます。または、エコポカプチなどの断熱効果の大きいビニールに変更するだけで、より高い保温効果が期待できます。

2. 夜間の保温対策

夜間の放射冷却を防ぐために、不織布などのカバーを作物の上に直接かけるのも有効です。特に霜が降りる環境では、このような対策が生育を左右する重要なポイントになります。

まとめ

今季最強とも言われる寒波により、当地域でも過去にないほどの冷え込みと積雪が発生しました。

しかし、内張を施したビニールハウスでは、最低気温を0℃以上に保つことができ、従来の無加温ハウスと比較して5℃程度の温度差が確認できました。この結果から、内張による断熱効果が有効であることがわかりました。

今回の経験を活かし、厳しい冬でも植物を健やかに育てられる環境づくりを続けていきたいと思います。