今人気絶頂のビカクシダ。プラティセリウムの胞子培養方法について、業界トップクラスの方が講義をされていましたので、備忘録としてまとめました。
ちなみに私はまだビカクデビューしていませんので、胞子からデビューしようか本気で悩むくらい楽しい講座でした。
1.胞子を採取する
胞子を採取するところからスタートです。ビカクシダでは大きい胞子葉の葉裏に胞子がびっしりつくようです。
胞子が茶色くなり、手で触って手につくくらいがいいタイミングのようです。
ピンセット裏のヘラやスプーンで掻き取りながらダンボールや紙の上に採取していきます。
目に見えている茶色の大きいものは胞子嚢と呼ばれる胞子の入っている袋で、中に入っている小さい粒が胞子になります。
かなり細かいので吸い込まないようにマスクをすると良いようです。
胞子葉は乾燥していると胞子が取りやすく、新鮮な葉ではなかなか取れないそうです。
採取できた胞子は、乾燥剤を入れたジップロックで3年くらい常温で保管できます。
2.胞子を蒔く
胞子を蒔く育苗容器を準備します。
容器には発泡スチロールが適しています。容器の底に5cm間隔くらいに穴を開け、水捌けをよくし加湿になりすぎないようにコントロールしましょう。
用土には無調整ピートモスを用意します。無い場合はグレードの高い水苔でもジフィーでも大丈夫です。
発泡スチロール容器に厚さ5cmほどで用土をならします。
準備した用土に液肥500-800倍程度の水を満遍なくさーっとかけていきます。1000倍でもいいようですが、リドレイなど肥料食いのいいシダには濃いめがいい様子です。
ここまででようやく胞子を蒔く準備ができました。
胞子を茶漉し(網目の細かいもの)に入れて全体的にふるいにかけながらフワッと撒いていきます。
茶漉しに残ったものは胞子嚢で、これが入ることでカビの原因となります。注意しましょう。
※交雑をさせ、ハイブリッドを作りたい場合はあらかじめ胞子を混ぜておいたり、上から別の胞子を振りかけて交雑させます。
胞子を撒いたあとは、先程の液肥を霧吹きし全体的に湿らせます。
3.胞子の管理
胞子を撒いた容器をそのままビニール袋に入れます。封をして密閉します。
上の面はピーンと張った方が良いです。中を観察し易くなりますし、その後の工程にも影響してきます。
温度管理は12℃以上が目安です。20℃〜が最適ですが、30℃以上は厳しいこともあるようです。
大凡3〜6ヶ月で前葉体が出来てきます。
前葉体はハートのような形をしており、それが確認できたらビニール表面についた水滴をパンパンと叩き落とします。この水滴を落とす管理を出来るだけ行っていきます。
シダの精子が水滴についていて前葉体に落とすことで受精するようです。
受精後には胞子体が出来てきますので、1cm程度に育つまでこのまま管理します。
4.胞子体の管理
胞子体まで、育ったら開封して育苗用プラグポットに移していきましょう。間隔が狭い場合は1つ飛ばしで植えると良いです。
その後の管理は通常のビカクシダ栽培へ移行していきましょう。
5.おわりに
以上で、ビカクシダ胞子培養講座の備忘録となります。
これまで、水遣り管理や温度管理でちょっとまのっていましたが、胞子からならリーズナブルだし、何よりどんなものが出てくるかわからない楽しみもあります。
自分だけのオリジナル品種が出来ちゃうかも知れませんよ。
※液肥はハ○ポの微粉6.5-6-19など、カリウムの多いものがおすすめ。